SPIRIT POP

B-OWND gallery, 日本, 愛知, 
2023.10.4-10.10
酒井は、失われていく大切な記憶を残すというテーマのもと、自己の記憶、他者の記憶、時代の記憶をモチーフに、それぞれ抽象的なイメージを練り上げたシリーズ作品を制作してきた。
誰かの心に残る、色とりどりの想いを内包する記憶。それを後世に残すには、時代を越えて人々が本当に大切な記憶を、安心して託せる存在が必要だ。過去、それらは「神」などの宗教的なものに託され、いつの時代の人々にも、教訓や癒しを与え続けている。
現代の日本における「神」とは、なんだろうか。それは、酒井自身も影響を受けている漫画やアニメ、またはアイドルなどの推し文化に見られるかもしれない。様々な要素を受け入れ、独自の発展を遂げる日本の現代文化を背景に、また酒井は古今東西の「神」をモチーフに取り入れながら、「記憶の守り神」とも呼べる新シリーズを生み出した。そしてそれは、長く形を保つことが可能な、土を焼くという陶芸の素材と技法によって、遥か遠い未来まで伝えられていく。

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